「法律」と聞くと何を思い浮かべるでしょうか?六法全書のような分厚い本を思い出す方も多いのではないでしょうか。
この記事では、法律とはなにか?道徳などと何が違うのか?どのようにして決められるのか?といった人には聞けない基本中の基本について解説します。
法律って?
法律とは簡単に言えば「社会のルール」です。
え?そんな簡単なこと?と思われるかもしれませんが、そうなんです。つまるところ、「社会のルール」です。
人がたくさん集まるとそこには「社会」ができます。そのような「社会」でそれぞれが好き勝手していては人と人との間で衝突が起き、いざこざが発生してしまいますよね。まさに「無法状態」というやつです。
それでは困るので、みんながケンカせず、快適に暮らせるためにルールを決めます。皆さんのお家にもそれぞれのルールがあるのではないでしょうか。たとえば、食べた食器は自分で洗うとか、ゲームは1日1時間とか、ゴミ出しは誰がするとか。発想はこれと全く同じなのです。
道徳や他のルールと法律は何がちがうの?
家のルールや道徳なども「社会のルール」と言えそうですが、これは「法律」ではなさそうです。では、何が違うのでしょうか。
先ほど、「法律とは社会のルールだ」と述べましたが、実はこの説明では、もう一つ、法律を表す重要な要素が抜けています。それは「国家によって強制されるもの」であることです。
「国家によって強制されるもの」というのは、例えば犯罪として処罰されたり、裁判所の判決にしたがって約束を守るよう命じられたりすることとイメージしてもらえればよいです。
例えば、ゲームを1日1時間以上遊んでしまい、ルールを破ってしまったとしても、犯罪になるわけではないです。「親にゲームを取り上げられるじゃないか!」というふうに思う方もいるかもしれませんが、それも「国」によって強制されているわけではないですよね。
道徳も同じです。困っている人がいたら助けてあげるというのは道徳的には正しいですが、これをしなかったからといって「国」に強制されるわけではありません。
これに対して、法律に違反した場合は「国によって強制される」ことになります。たとえば、万引きをすれば、窃盗罪(刑法235条)に該当し懲役などの処罰を受けます。お金を借りておきながらこれを返さなければ、契約違反となり、裁判を経て最終的には借主が持っている他の財産が差し押さえられることになります。
つまり、法律とは、社会のルールのうち、国によって強制されるものをいいます。
法律は誰が決めるの?
それではそのような法律ですが、誰が決めるのでしょうか?
みなさんがどこかでルールを決めるときは、誰が決めますか?
学校や会社では、一方的に決められているという感じがしますね(厳密にはちょっと違います。)。
では、考える上での違う視点として、誰が決めるのが1番不満がないと思いますか?
これは、守らなければならない本人たちが自分で決めるということだと考えられます。自分たちで守らなければならないのであれば厳しすぎないルールしますし、他方、緩すぎるルールでは他人の行いが気に入らないということにもなりかねません。なので、ちょうどよい程度のルールになります。
これを民主主義といいます。日本は民主主義国家ですので、自分たちで自分たちが従わなければならない法律を決めているのです。
でも、法律を決めたことなんて一度もないけど?と疑問に思われるかもしれません。
これは、国というレベルの社会ではそこにいる人が多すぎて国民に一人ひとりに意見を聞くことは現実的に難しいので、自分たちと同じ考えをもっている代表者を選挙で選んで、その人に自分に代わって議論してもらい、法律を決めてもらうという方法をとっているのです。
これを間接民主制といいます。
まとめ
以上のとおり、法律を理解する上でのポイントは二つです。
① 法律とは、社会のルールのうち、国によって強制されるものをいうこと。
② 日本のような民主主義の国では、法律は、これを守らなければならない国民が決めていること。
このうち「国によって強制されるもの」という点がちょっと理解しにくいと思ったのではないでしょううか。この点については、またの機会に解説します。
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